動画制作の見積の見方とは?費用を抑えるコツも紹介!
商品やサービスの広告、セミナーやイベントなど様々なシーンで使用される動画。
文字だけよりも印象に残りやすい点が大きな特徴ですが、制作にはそれなりの費用がかかります。
できるだけ安く動画制作をしたいと考える方も多いでしょう。
見積書を見れば、作りたい動画にどれくらいの費用がかかるのか、知ることができます。
しかし、動画制作をしたことがない方は、まず見積書の見方が分からないということも少なくありません。
そこでこの記事では、 動画制作の見積書の見方や、一般的な価格設定の方法を解説します。 少しでも安く動画を制作する方法もご紹介するので、ぜひ参考にして下さい。
1.【金額の目安は?】動画制作の見積書の見方・料金や価格の設定方法
まずは見積書の見方について解説します。
動画制作費は大きく分けて、 企画費・人件費・諸経費(機材や場所代など)の3つ です。
・企画費
「企画費」は、動画の台本作成など進行管理に関する費用のことです。平均額は2万~50万円程度になっています。
・人件費
「人件費」は、使用するキャストや制作スタッフの費用のことです。平均額は5万~300万円。費用の中で最も金額の幅が広く、出演するキャストの人気や知名度、スタッフの人数などによって異なります。
・諸経費
「諸経費」は、撮影機材やロケ地の使用にかかる費用のことです。機材やスタジオのレンタル料は基本的にどの制作会社でも変わらないため、会社間での差が小さくなっています。複数の制作会社の見積りを比較する場合は、企画費と人件費を比較しましょう。
見積りの費用は、実写やアニメーションなど動画の種類によっても異なります。
以下が主な動画の種類と、費用の相場です。
商品・サービス紹介:10万円〜200万円以上
会社・店舗・学校紹介:10万円〜200万円以上
採用・リクルート動画:10万円〜200万円以上
セミナー・イベント動画:5万円〜50万円以上
インタビュー動画:5万円〜40万円
アニメーション動画:10万円〜300万円以上
YouTube動画(編集のみ):5,000円〜50万円
ドローン空撮動画:10万円〜30万円
テレビCM:100万円〜500万円以上
2.【準備が大事】見積書が出るまでの流れ
依頼準備→ヒアリング→見積書・企画提案書
見積書は、制作会社に依頼後、動画の目的や予算など細かい点をヒアリングした上で、企画提案書と一緒に出されます。
企画提案書とは、動画の大まかな流れやストーリーなど、動画の内容に直接関わる内容が記載されたものです。
制作会社に依頼してからヒアリングまで約1週間、ヒアリングから見積書が出されるまで約1週間かかるため、 見積書が手元に届くまでには合計で約2週間かかります。
また、見積書を出してもらうまでに、依頼主は相応の準備をしておくことも重要です。
少なくとも 動画の目的・予算・納期は具体的に決めておきましょう。
まったく準備せずに臨んでしまうと、制作会社から曖昧な見積書を出されてしまいます。
イメージと違う動画内容になってしまったり、予定よりも費用がかかってしまったりすることもあるので、注意して下さい。
3.【細かくチェック】見積書の項目
動画制作費は企画費・人件費・諸経費の3つに分かれますが、見積り書にはさらに細かな内訳が記載されます。
どこにどれだけ費用がかかっているか把握して、抑えられる部分がないかチェックすることで、無駄な出費を防ぐことができます。
今回は実写の動画を制作する場合の見積書をもとに、費用の詳細を見ていきましょう。
・企画費
企画費は主に「企画構成費」と「ディレクション費」に分類され、映像ディレクターやプロデューサーが担当します。
・企画構成費
動画のターゲットや演出方法などに加えて、動画制作に必要な機材やスタッフを選定したり、共有のスケジュールを作成したりする費用です。
・ディレクション費
ディレクターの人件費です。
ディレクターは依頼主との打合せ、撮影準備、現場指揮など動画制作を取り仕切る存在。
良い映像ディレクターを起用すれば、その分だけ金額が上がります。
目安としてディレクション費が20万円を超えるディレクターは、スキルの高い人物だといえるでしょう。
・人件費
人件費は「役者・モデル費」「カメラマン費」「編集費」「ナレーション費」「照明・スタイリスト・メイク費」「グラフィック作成費(アニメ動画)」「アニメーション制作(編集費)」の7つに分類されます。
金額の幅が広い人件費ですが、特に有名タレントを起用する場合は1本1000万円以上かかるなど、高額になりやすい傾向にあります。
・役者・モデル費
動画に出演するキャスト(役者やモデル)の出演料です。
動画1本単位で計算され、プロの役者を起用する場合は1本5万円程度かかります。有名タレントの場合は、数千万円かかることも。
・カメラマン費
撮影を担当するカメラマンやアシスタントの費用です。カメラマンは1日で約8万〜15万円、アシスタントは約3万円が相場です。
使用するカメラによっても金額は異なり、 小型のハンディカメラであれば費用を抑えることができ、ENGカメラ(高画質の動画用カメラ)などの肩に担ぐような大型のものであれば、カメラマンの技術費が高くなります。
・編集費
撮影した動画を編集する人の人件費です。
動画が長編になるほど高額になり、相場は5,000円〜50万円以上です。
編集は 制作会社ごとにフォーマットがあり、動画内の字幕(テロップ)・簡単なSE(効果音)の挿入・画像やイラストの挿入のみであれば、低額で済む場合も多くなっています。
対して、2D・3Dなどの特殊な加工を施す場合は、高額になるでしょう。
・ナレーション費
動画のナレーターの人件費です。相場は1本5万円程度ですが、制作会社によっては、読む原稿の文字数や活動時間で料金設定があり、ナレーターの所属事務所によっても金額が異なります。
・照明・スタイリスト・メイク費
画像の質を高めたりキャストの印象を良くしたりするために、照明技術者やスタイリストを採用する場合があります。
特に料理は、美味しく綺麗に魅せる映像を撮るのが難しいため、フードスタイリストが必須です。
費用は、1日あたり照明が約8万円、スタイリスト・ヘアメイク・フードスタイリストはそれぞれ約5万円かかります。
・グラフィック作成費(アニメ動画)
アニメーション動画を制作する際の、イラストレーターの人件費です。
イラストレーターはキャラクター・背景・複数の場面を描いた後、クライアントのOKが出ればすべてのイラストを描いていきます。
金額の目安は1分約10万円、1カット約8,000円〜です。
・アニメーション制作(編集費)
作成したイラストを、コンピューターを使用して滑らかに動かす編集作業の費用です。
アニメのクオリティに関わる重要な部分であり、膨大な数のイラストを動かすため、編集作業の中で最も時間がかかります。
金額の目安は1本20,000円~ですが、テレビアニメの経験があるようなスキルの高いイラストレーターを起用すると、さらに費用は高くなるでしょう。
・諸経費
諸経費は種類が多いため、この記事では「撮影機材費」「ロケ地使用費・スタジオ費」「音響効果費」「MA費(MAスタジオ費)」「マスターデータ作成費」など、代表的なものをご紹介します。
・撮影機材費
カメラ、照明、音声など撮影に必要な機材にかかる費用です。
使用するカメラによって費用が上下するのは、カメラマン費の部分で解説しましたが、それは照明や音声でも同じ。 照明機材は白熱球・蛍光・LEDなど様々な種類の中から屋内と屋外で使い分けるため、値段も大きく異なります。 音声機材もガンマイク・ワイヤレスマイク・ピンマイクなど種類が豊富で、高性能のものを選べば費用が高額になるでしょう。
・ロケ地使用費・スタジオ費
撮影を行う土地や店舗、スタジオを借りるための費用です。
ロケ地の下見が行われる場合は、ディレクターやカメラマンの人件費・交通費・宿泊費なども加算される場合もあるので注意しましょう。
・音響効果費
制作した動画に使用する音楽の購入・使用料、オリジナル楽曲制作費です。使用する音楽によっては、JASRACに著作権料を支払う場合もあります。
また、音響効果専門の会社にオリジナルの曲の制作依頼をした場合、数万円~数十万円かかります。
・MA費(MAスタジオ費)
MAとはMulti Audioの略で、映像にBGM・ナレーション・効果音などをミキシングしたり、ノイズなど不要な音も排除したりする作業です。MA費は編集を担当するエンジニアの人件費と、収録を行うスタジオの費用が該当します。
MA費の相場は1日約10万円以上です。
・マスターデータ作成費
制作した動画をDVDやBlu-rayとして複製するために必要な「マスターデータ」を作成する費用です。
動画の長さによって費用が変わりますが、相場は1万〜5万円です。
4.【少しでもコスパよく!】動画制作の見積りを安くする方法12選
ここまで、動画制作に多大な費用がかかることが分かりました。ここからは、見積りをできるだけ安くする方法について紹介します。
4-1.参考動画を用意する
参考動画を用意することで、 下調べの費用を抑えることができます。
制作会社の過去の事例に適切なものがない場合は、YouTubeなどから探すのもいいでしょう。
4-2.メッセージや資料を用意する
動画制作の 目的に合わせたメッセージを自社で用意 しておきましょう。動画の方向性をハッキリさせておくことで、制作会社は動画を作りやすくなります。
4-3.メッセージを絞る
動画は尺が長くなればなるほど費用がかかるため、見積りを安くしたい場合は30秒ほどの短い動画にするのがポイントです。
しかし、動画が短くなれば入れられるメッセージは短くなります。
動画内で伝えたいメッセージは絞っておきましょう。
入れられるメッセージは30秒前後の動画で1つか2つ、60秒以上の動画では3つが目安です。
4-4.天候に左右されない屋内を選ぶ
屋外で撮影する場合、晴版と雨版の2パターンで機材などの準備をしなければなりません。
屋内で撮影することで天候に左右されず、無駄な出費が省けます。
4-5.キャストを自社で用意する
動画に出演するキャストは、自社の社員などを使用すれば、モデルや役者を起用した際の出演料を支払う必要がありません。
顔があまり映らなかったり、演技が必要なかったりする場合は、キャストを自社で用意できないか検討してみてください。
4-6.撮影部分を減らす
撮影は動画制作で最も費用がかかる部分のため、 できるだけ減らすことで費用が抑えられます。
例えば、既存の写真を使用したり、説明をナレーションで済ませたりするだけでも、撮影部分が減らせます。
また、市販されている映像素材を購入して使用するのも、改めて撮影するよりも節約できてオススメです。
4-7.テンプレを作成する
YouTube動画など週〇本・月〇本のように定期的に動画を制作する場合は、テンプレを作っておくことで量産が楽になります。
同じような動画を制作する際は、少しアレンジするだけなので、制作時間や費用を削減できます。
テンプレは動画をしっかりと運用したい方に必須です。
4-8.撮影場所を固定する
撮影場所を固定することで、毎回撮影場所を探す手間や移動の費用を省くことができます。
また、料理動画など、ある程度カメラの角度を固定できるものは、固定しておくと撮影準備も楽になるでしょう。
4-9.グリーンバックの使用
グリーンバックとは、背景を合成するために使う緑の背景の小道具で、主にテレビの天気予報などで使用されます。
現地に移動する費用を省けるだけでなく、手軽に好きな背景を映し出せるのも便利な点です。
4-10.出演者の契約期間を短く明確にする
役者やモデルを起用する場合は、出演料がかかる上に契約期間が決まっています。
つまり、どれだけ費用をかけても期間を過ぎれば使用することはできません。
動画の目的に応じて契約期間をできるだけ短く、明確にすることで無駄な費用を抑えられるでしょう。
4-11.地方CMから始める
テレビCMなどの動画を制作する際にネックとなるのが放映料です。
特に関東地域のテレビ局は放映料が高くなっています。
そのため、テレビCMを放映する際は、地方から始めるといいでしょう。
求めていた効果が得られているか、ターゲット層が合っているかをチェックして、全国的に放映していくのがオススメ。
4-12.企画構成を発注者が行う
企画構成を発注者が作成できる場合は、自社で行うと費用が格段に抑えられます。
制作会社に依頼すると、経験に基づいた企画や構成を作成してくれますが、オフィス紹介用動画などであれば、自社で行うことも十分可能です。
5.【失敗しないために】見積書で注意すべきポイント
最後に、見積書で注意すべきポイントをご紹介します。
・不明な点は質問する
動画制作を初めて依頼する方にとっては、見積書に記載されている内容は見慣れないものばかりです。
専門用語を見ただけでは何の費用か分からないということも多いでしょう。
不明な点や曖昧な点をそのままにしてしまうと、必要のない部分に費用がかかっていたり、 予算をかけるべき部分で費用が抑えられていたりする場合があります。
少しでも分からない点は、しっかりと質問しましょう。
丁寧な説明をしてくれるのが、良い制作会社です。
・IP/使用権のチェックをする
IP(知的財産)・使用権のチェックも欠かせません。
特にアニメーション動画の場合は、イラストレーターの権利に注意が必要です。
イラストを動画だけでなくグッズなどにも使用する際は、追加で権利料を支払う可能性が高くなっています。
予算を超えてしまうことがあるので注意しましょう。
・素材の詳細を確認する
見積書では、「音響効果費」や「ナレーション費」などの詳細を書かずに「編集費」と一括で記載されて、動画の素材に関する記載がない場合があります。
BGMを使用する際など追加料金が発生してしまうこともあるので、 素材を購入するのか制作するのか明確になっていることを確認しましょう。
6.【まとめ】できるだけ安く動画制作しよう
この記事では、動画制作の見積書の見方や、一般的な価格設定の方法を解説するとともに、動画制作を安く抑えるコツについてもご紹介しました。
動画制作における見積りの知識を持ち、無駄に費用をかけないことで、良い動画をコスパよく制作できます。
動画制作を考えている方はぜひこの記事を参考に、準備を始めてみてください。
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